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船長の権限 [か行]

船長の権限には、公法上の権限と私法上の権限とがありますが、前者は商法の範囲に属さないから、ここでは後者について述べます。

船長の私法上の権限には、まず、船主のための代理権があります。

この代理権の範囲は、船籍港(船舶の登記された地で、原則として船主の住所地)内では狭く、船主から特に委任を受けた場合のほかは、海員船長以外の船員)を雇い入れまたは解雇することだけに制限されています。

これに対し、船主の指揮の及ばない船籍港外では、船長の権限ははなはだ広範で、航海のために必要な一切の裁判上または裁判外の行為をすることができます。

したがって、船長は、船主を代理して訴訟をすることができるほか、海員の雇入れ・解雇はもちろん、船舶を抵当に入れ、借財をなし、あるいは積荷(船主のものではないが)を処分するすることもでき、修繕不能になった船舶を売却することさえもできます。

また船長は、積荷の利害関係者のためにも、航海中危険に遭遇した積荷を最も有利な方法で処分する権限を有しています。

なお、以上の船長の代理権の範囲は、これを内部で制限しても、善意の第3者には対抗できないものとされています。

婚姻 [か行]

市民社会法の下にあっては、男であるか女であるかによって法的差別をすることは許されません(両性の本質的平等)。

この原則に一見背反的に異質な法的効力の附与を許す規定郡のあるのは、男女間に存在する自然的差異解消のためか、封建遺制としてです。

封建遺制によるものは、直ちに廃止されるべきものであり、ここでの論外です。

婚姻は男女という性の異質に着目して特殊に法的効力を附与する法制度の最たるものであり、特定の男女間に相互的な要保護性保管義務を要することを究極の目的とします。

この制度に各国はそれぞれの伝統的な国家目的からする要請を国家政策的に介在させ、婚姻制度を複雑多岐なものにしています。(婚姻統制法。婚姻による多児出生者を母性英雄として勲章を授与する立法例も存在します。また婚姻届出に、国勢調査的事項を合わせてさせる日本法のごときもこれに連なります。)

婚姻は男女間における恒久的・独占的な性提供関係です。

市民社会法は市民一人ひとりのあくなき意思尊重とその法的実現を使命とし、異性の性に対する男・女それぞれの極限欲望の法的事実は、意思の合致による相互に独占的・恒久的な性提供関係である一夫一婦制として具体化させずにはいられません(愛情には独占性をもたせることができない本質があるので、婚姻在立の究極の法的基礎を愛情の独占性に求めることはできません。夫婦はお互いに最愛の人であることが願わしいですが、独占的な愛情の対象であることはできません)。

夫婦間にも諸他の異性関係から分かつ究極のものとして貞操義務を課し、相互的な要保護性補完の義務を負わせつつ(期待権として扶助義務です。その現実の発生は、常に一方的です。夫が妻を扶養するか、妻が夫を扶養するかであり、夫婦が互いに扶養しあうということはあり得ません。)、その他の点においては夫婦は互いに独立の個人で他人間におけると法的効力を異にしません。

夫婦には保護義務が強要され、それは夫婦の一方が要保護状態に陥ったときに他方配偶者の意思に関係なく課されるものであるので、夫婦関係の成立は、何人の目にも鮮やかなものとして確定されていかなければなりません。婚姻の成立には市区村長に対する婚姻提出を要し、厳しい受理要件が定められているわけはここにあります。
タグ:夫婦 婚姻 平等

合意管轄 [か行]

当事者の合意によって生ずる管轄。

これは、法律で決まっている管轄裁判所とは違った裁判所に訴えを起こそうという当事者の間の合意によって生ずるものであるから、後で問題にならないように、合意したことを書面や電磁的記録に記録しておかなくてはなりません。

ただし、どうしてもその事件は一定の裁判所で扱わなければならないという決まり(専属管轄)があるときは、合意はできないし、また、いったん訴えを起こしてしまえば、勝手に裁判所を変えることは許されません。

混和 [か行]

所有者の異なる穀類や金銭などの固形物が混入し、あるいはお酒やしょう油などの流動物が融和して、社会通念上識別・分離できない状態になることをいいます。

これによって生じた物(混和物)全体の所有権は動産の付合(ふごう)の場合に準じて決定します。

つまり、物に主従の区別があるときは、混和物の所有権は主たる動産の所有者に帰属し、主従の区別がないときは、価格の割合で全員の共有となります。

混和の結果、所有権を喪失した者は混和物の所有権を取得した者に対し、補償金を請求することができます。

加工 [か行]

加工とは、他人の動産に工作(労力)を加えることをいいます。

例① Aさん所有の山林を伐採して製材し、材木にした場合。
加工によってできた物(加工物)の所有権は原則としてその材料の所有者に属しますが、加工物が材料の価格と比較して著しく高価である場合は、加工者の所有に属します。

例② Aさん所有の安価なキャンバスを、著名な画伯であるBさんが高価な絵画に仕上げた場合。
その絵の所有権はBさんに帰属します。これによって損失を被ったAは補償金を請求することができます。

なお、製造工場で雇われた労働者が材料を加工して物を製造したときは、その所有権は雇い主に帰属するのであって、この場合246条の適用はありません。

また、請負人が請負契約に基づいて建築した建物の所有権の帰属は、原則として本条(246条)によって決定とするのが判例・通説ではありますが、この場合も246条の適用はない(所有権も帰属は請負契約によって決定する)とする見解もあります。

共有 [か行]

複数の人が一個の物の上の所有権を、分量的に分割して有することをいいます。

例えば、Aさん、Bさん、Cさんの3名が甲地を共同で購入したときは、甲地は3人の共有となり、各人は、甲地上にそれぞれ分量的に制限された権利を有します。

一般的に、2人以上の者が1個の物を共同で所有することを「共同所有」といい、総有・合有・共有の3つの形態がありますが、民法では、共有についてのみ規定しており、共同所有が問題となる場合をすべて「共有」という語で表現しています。

しかし、これらをすべて文字通り「共有」だと扱ってもよいかは見解の対立があります。


共有の重要な特徴は、

①共有者間に団体的な結合関係がないか、若しくはあっても極めて弱い。

②各人の持分権は、一般の所有権と同じ性格を持ち、原則として自由に処分できる。

③共有物の分割も原則として自由である。

などの点があります。


各共有者は、別段の合意がない限り、目的物の全部につき使用・収益する権利を有します。

自己の有する分量的な割合(持分または持分率といいます)だけに限られません。

なお、持分は平等なものと推定されます。

共有物についての保存行為は各自単独でできますが、それ以外の管理に関する事柄(共有物の利用方法など)は、共有者の持分の価格に従って過半数で決めなければならず、また、共有物に物理的な変更を加え、あるいはこれをほかに処分するには全員の同意が必要となります。

管理に必要な費用または公租公課などは持分の割合に応じて各自負担し、もしこれを1年以内に履行しない者がいれば、その持分を買い取ることもできます。

共有物の使用または収益を妨害する者がいれば、共有者は各自自己の持分権に基づいて単独で妨害を排除することができます。

共有者は、5年の範囲で分割しない合意(不分割特約)をすることができますが、それがないときは、原則としていつでも共有物の分割を請求することができます。

分割には全員の協議が必要であり(協議分割)、協議が調えば、現物をそのまま物理的に分割すること(現実分割)も、一人が全部を取得し、ほかに価格を支払うこと(価格賠償)も、全部売却して代金を分割すること(代金分割)も自由にできます。

この協議が調わなければ、裁判所に分割を請求します(裁判分割)。

裁判所は原則として現物分割を行なうべきでありますが、それが不可能ないし妥当でない場合は、競売して代金を分配します。

検認 [か行]

検認とは、家庭裁判所が遺言書の存在および内容を認定することです。

遺言書の保管者は、相続の開始を知ったら、遅滞なくこれを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければなりません。

遺言書の保管者がいない場合に相続人が遺言書を発見したときも、同様です。

検認によって、遺言書の存在を明確にし、更にその偽者・変造を防ぐことができるからです。

しかし検認は、遺言書の内容を審査するのではなく、ただ外形を検査認定してその形式的存在を確保する手続きにすぎないから、検認によって無効な遺言書が有効になることはなく、したがってまた、公正証書による遺言については検認を必要としません。

家庭裁判所の検認手続には、検認の申立人、相続人その他関係者を立ち会わせるようになっていますが、立ち会わなくても検認の効力には関係ありません。

また、封印のある遺言書は家庭裁判所で、相続人またはその代理人が立ち会って開封しなければなりません。

なお、特別方式による遺言については裁判所の確認を必要とします。

これは遺言が遺言者の意思から出たものかどうかを判定するものでありますが、この確認を得たものでも検認を受けなければなりません。

権利の濫用 [か行]

権利の濫用とは、外観上は権利の行使のようにみえても、実質的には公共の福祉に反して権利行使といえない場合のことを指します。

こういう権利の行使に対しては、これを認容する必要がないばかりか、逆に不正行為として損害の賠償を求めることができます。


判例に現れた数列を示すと、

①隣地の所有者に土地を高価に売りつけようとして、本人にはまったく無益で、隣地の所有者には致命的になるような、いやがらせの建設をした場合、普通は不法行為に基く損害賠償がとれるし、場合によると、その取り除きも考えられます。

②隣地で養魚場をはじめ、たくさんの掘貫井戸を掘って、水をくみあげたため、燐家の料亭で売り物にしていた泉水がかれてしまった場合、不法行為による損害賠償の請求を認めます。

③別に使っていないわずかな荒地を、他人が重要な工作物(温泉の引湯官を埋める、電車線路の地盤として埋め立てるなど)のために無断使用してしまっており、それを取り除くことの損害が大きく、公共の損害も少なくないような場合、その取り除きの請求(物上請求権)は濫用とされ、ただ損害賠償の請求だけが許されます。

④わずかの貸金を理由に、信用もあり、支払能力も十分な借主に対し、勧告もしないで突然仮差押えをした場合、不法行為による損害賠償義務があります。

⑤借地人が建物とともに借地権を無断譲渡した場合、新しい借地人では困る場合の事情がない限り、これを理由に、解約するのは、解約権の濫用で、無効だとするものがあります。

⑥親権を子の利益に反して(例えば、芸妓見習い強制のためなど)行使するのも、ことごとく権利の濫用として無効です。

合有 [か行]

共有・総有とともに、複数の者が1個の物を共同で所有する形態の一つです。

合有は、各人が持分権を有する点で共有と同じで、総有とは異なりますが、共有では、各々の共有者は持分権の処分や分割請求が原則として自由であるのに対し、合有では、各人の間に団体的な結合があり、その目的によって各人の持分権の処分や分割請求が制限若しくは禁止される点で、より団体的な色彩の強い共同所有の形態です。

その意味で、合有は共有と総有の中間に位置します。

我が国の民法はこの語句を使用しておりませんが、組合財産の「共有」を合有と解する学説が有力です。

組合員の持分権の処分や割合請求が民法で制限されているからです。

相続財産の「共有」もこれを合有と解する見解もあります。

寄与分 [か行]

相続人中に、被相続人の家業である農家や自家営業に従事してその事業に協力するなどの方法により、その財産の維持または増加に特別の寄与をしていながら、これに対する相当の対価を得ない人(これを寄与相続人といいます)がある場合において、寄与相続人と他の相続人との間に衡平を実現するために、寄与相続人に対し、遺産の分割にあたり、寄与の方法や程度などその事情に応じて与えられる相当額の財産のことです。

昭和55年の民法・相続法の改正によって認められました。

寄与分の権利は相続人だけに認められます。

相続人以外の人が遺産に寄与するということもありますが、これらの人にも寄与分の権利を認めること、理論的にも問題があるばかりでなく、家庭裁判所の遺産分割手続のなかでその考慮を行うとすると、多くの遺産分割手続が非常に手間ひまかかって遅延し、その負担が重くなっている理由から、特別考慮の法的枠から外されました。

この措置については批判があるところですが寄与貢献のある被相続人は事前に契約(生前贈与など)などの方法で自分の権利を守るようにするほかはありません。

寄与分はまず相続人間の協議で、協議の調わない場合は審判によって定まり、寄与相続人の相続分を増加させる方法で実現します。

すなわち、被相続人が相続開始の時において有した財産の価格から協議または裁判で決まった寄与分を控除したものを相続財産とみなし、900条から902条までの規定によって算定した相続分に寄与分を加えた額をもって寄与相続人の相続分とすることにしました。

寄与分を定めるについて、いくら以上は認められないという上限はありません。

寄付貢献が大きければいくらでもいいわけですが、ただ被相続人が相続開始の時において有した財産の価格から遺贈の価格を控除した額を超えることはできないことになっています。
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